Yチェアの経年変化20年モノのソープフィニッシュお手入れ

ある日、出社するとただならぬ雰囲気を放つYチェアが2脚。
聞いてみるとお客様が20年使用しているYチェアだそう。
勉強も兼ねて当店でメンテナンスをしてみようとお借りした物だったそうです。
光栄な気持ちと緊張感を持ちスタッフ総出でメンテナンスを行いました。

それにしても20年とは、、人でいう成人と言う時期もあり改めて凄い月日です。
20年経った今も変わらぬ存在感を放つ椅子ってあるんでしょうか。

話が逸れましたが、、、いざメンテナンスを。
お預かりしたYチェアはビーチのソープフィニッシュ座面高さ43cm。

木部は経年変化で飴色に変化し、ペーパーコードも日焼けや汚れ、染みがあります。
20年分の物語を感じますね。

今回のメンテナンスは木部とペーパーコード部分の汚れを落とすメンテナンスを行います。
座面のペーパーコードは汚れを感じなければ無理して行わなくても大丈夫です。


まず用意するのは下記のアイテム。
＞無添加の石鹸
＞バケツor洗面器
＞400番以上の紙やすり
＞乾いたタオル
＞スポンジ
＞カッター


手順としてはまず石鹸をカッターで削ってフレーク上にします。
1リットルに対して75gなので100gの石鹸であれば約3分の2程削ります。
そこに熱湯を掛け溶かしながら混ぜます。

石鹸があらかた溶けたら20度くらいに冷めるまで待ちます。
熱すぎると木へのダメージが生じるので注意です。
冷めた後はスポンジで泡立て、木目に沿って軽く撫でます。
泡で汚れを撫でるイメージで優しく。
よく手を触れるアーム部分や背もたれ部分は念入りに。


チェアの木部を全体的に綺麗にしたら座面。

同様に泡で叩くようにメンテナンスします。
座面のペーパーコード は紙をよった糸で出来ている為
擦ると毛羽が立ちやすくなるので注意。
こうして全体を泡で綺麗にしたら
木部は乾いたタオルで拭き上げていきます。
ペーパーコードはたっぷりと水を染み込ませたタオルで。
水滴で泡を落とすイメージです。
後半は表と裏からポンポンと叩いて水分を取っていきましょう。
できる限りペーパーコードの中に入った泡も取り除いてください。

こうして全体の拭きあげが終わったら
風通しの良い日陰でペーパーコードが乾くまで乾燥。
直射日光や急激な乾燥は木部が割れる原因となりますので特にご注意くださいね。

数日後
経年変化がもたらす「いい味」はそのままに汚れなどはスッキリ。



やすりで優しく毛羽立ちを整え、タオルで乾拭きして完成。
気持ちも、Yチェアもスッキリ。家具のメンテナンスって良いものです。清々しい！
細かなメンテナンスを行いペアで金婚式（結婚50周年）を目指したいですね。

キナルで取扱のYチェアはこちらからどうぞ！


スズキ

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