北欧フィンランドを代表する家具”artek(アルテック)”のご紹介

皆さんこんにちは。キナルLABOのカタヤマです。

今回は、キナルLABO(実店舗)でも取り扱いのある、北欧フィンランドを代表するブランドartek(アルテック)のご紹介です。

アルテックの製品には、創設者たちの「社会をより良くしたい」という思想や哲学が詰まっています。
知ればきっとアルテックを好きになっていただけるのではないかと思いますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです!


 

名前は知らずとも、こちらのスツールを見たことがある方は多いのではないでしょうか。

L字に曲がった三本脚(Lレッグ)が特徴的な「スツール60」です。

最近では、似たようなスツールを見かけることが多くなってきましたが、それらの原型はこのスツールと言えると思います。

”世界で最も愛されているスツール”とも言える名作ですが、特に日本での人気は高いです。

また、北欧家具やインテリアのブームの火付け役ともなった2006年に公開された映画『かもめ食堂』の中にもアルテックのテーブルやチェアが登場します。

映画「かもめ食堂」にも登場するテーブルとチェア


■artek(アルテック)とは

スツール60を代表とし多くの名作をデザインした、アルヴァ・アアルトを含む若者4人によって、1935年にフィンランドで創設されたインテリアブランドが「artek(アルテック)」です。

ちょうど1920年代頃から始まったモダニズム運動の流れのなかで、家具の製造・販売だけでなく、モダニズム文化の促進を目的とし国内外にモダニズム芸術を紹介するなどの活動も行っていました。

”artek”は「art(芸術)」と「technology(技術)」を合わせた造語で、〈Lレッグ〉や〈ラメラ曲木〉を代表とする新しい木材加工技術を開発し、これまでにないデザインを世の中に生み出しました。

【Lレッグ】

硬い無垢のバーチ材に切れ込みを入れ、間にべニアを挟むことで、しっかりと強度を保ちながら曲げやすくしています
断面に現われるストライプが美しいです
L-レッグが使われているアイテムたち


【ラメラ曲木】

木目を同じ方向にそろえて合板にすることで、滑らかな手触りと外見を保ちながらスチールに匹敵する強度を保ちます
ラメラ曲木の技術により有機的なカーブを描くユニークな木製脚

 




■アルヴァ・アアルト(1898-1976)

「北欧の賢人」と例えられる20世紀を代表する建築家のひとり。アアルトは社会をより良くする手段としてのモダニズムの考え方を深めていきました。
また、モダニズム思想の中に有機的なフォルムや自然素材を取り入れるなど先駆的な取り組みをし、モダニズム建築の巨匠ともいわれ、生涯で200を超える建物を設計しました。
建築のほかにも、家具・照明器具・ガラス器などのプロダクトデザインも手がけ、デザインした家具やガラスアイテムは北欧デザインが世界に広まるうえで大きな役割を果たしました。



■アルテックの魅力

①自然と調和するデザイン

アルテックのアイテムには曲線が多く使われています。

フィンランドには「自然享受権」という特別な権利があり、フィンランド国民は豊かな自然に親しみと尊敬をもちながら共存して生活しています。
そんな国ならではの、自然と調和するような有機的で、装飾的な部分をそぎ落とした潔いフォルムが特徴的です。

そして、素材も自然素材を用いた優しく、温かみを感じる家具が多いです。
先に紹介した「L-レッグ」や「ラメラ曲木」といった技法は、当時最先端のスチールパイプの家具を自然素材で作れないかという、アアルトの思いから誕生しました。


そういった自然との調和性が高いデザインが、木製家具に馴染みが深い日本人に支持される理由の一つなのだと思います。

② フィンランドのバーチ材を使用

アルテック製品のほとんどはフィンランド産のバーチ材(白樺)を使用。

白く明るい雰囲気のバーチ材
木目のコントラストが強くない、やさしく上品な木肌は部屋へのなじみが良いです


フィンランドは国土の3分の2が森林で覆われ、100年以上に渡る計画的な伐採方針により、安定した品質、量の木材を供給できるシステムが確立されています。
こうした木々の中からおよそ樹齢80年のものをアルテックのプロダクトに使用しているそうです。

そんな、自然の保全を念頭に置いて管理されている森林資源を利用しているプロダクトだからこそ、より安心して使うことができます。

アルテックは自社工場でも、無駄の無い木材使用、端材は燃料に利用するなど、独自にも森林の保全に貢献しています。


③機能的なデザイン

アルテックの製品は何よりも使う人に寄り添った機能的なデザインも魅力のひとつです。

スツール60や95Aテーブルなど一目で構造が分かりやすく、多少のぐらつきはネジを締めるだけで、自分で手入れがしやすくなっています。

シンプルなので、スツールは座るだけでなく、サイドテーブル、飾り台など様々な用途に使いやすいです。

また、使わないときはスタッキングできるので省スペースでお使いいただけます。

実はこちらのドムスチェアも4脚までスタッキング可能なんですよ!

他にもテーブルどうしを組み合させることで、暮らしの変化に合わせてフレキシブルに使うことができます。

半円どうしを組み合わせて、円形に
間に長方形をいれれば楕円にも


④長く使える一生ものの家具

アルテックの製品は丈夫で、90年前にデザインされたと思えないようなタイムレスな雰囲気があります。
1930年代にデザインされた家具が、デザインや素材をほぼ変えることなく現代の暮らしにも使われているところをみると、何か多くの人に愛される普遍的な魅力がアルテックにはあるのだと思います。

現在、アルテックの哲学に基づいた「2nd Cycle(セカンド サイクル)」という活動も行っています。

フリーマーケットや古い工場、学校、造船所などから、使い古されたアルテック製品を探し出し、調査し、年月を経ても変わることのないアルテック製品の品質と色あせない魅力を実証するとともに、本当に良いものを選び、いつまでも使い続けていくことの大切さを伝えています。



アルテックの家具は自然素材を使った優しく柔らかなでシンプルなデザインが多いですが、どこか芯が通っていてアルテックらしさを感じられます。それは、アルテックならではの思想がプロダクトにも込められているからなのだと思います。


今回、アルテックの魅力についてお話しましたが、実物を見てみたい!という方は、ぜひ宇都宮にある実店舗に足をお運びいただければと思います。

キナルLABOはartek(アルテック)の正規取扱店となっておりますので、展示以外の商品のオーダーも受け付けております。
お気軽にお問い合わせください。


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■キナルLABO(実店舗)
住所:栃木県宇都宮市松原2-5-21 木材会館1階
TEL:028-612-5618
Mail:labo@nonversus.jp
営業時間:13:00~17:00
定休日:水曜・木曜
※休業日のスケジュールはInstagramにてご案内しております。