こんにちは、キナルのミキです。
artek(アルテック) スツール60の90周年を祝って発売された数量限定モデル、「ロイム」。
炎のような木目模様の希少なバーチ材を用いたこのスツールは、通常にはないオイル仕上げ。しかも自分でオイル塗布をして仕上げるという、なんともスペシャルな一脚です。
「炎の模様」と「育てる家具」の特別感に、私はもちろん、他キナルスタッフも大いに湧いたこの一脚。私がいざ自分で塗ることを考えた時に浮かんだのは、「ちょっとハードルが高いかも・・」という思いでした。
オイル塗装はハードルが高いのか問題
オイルキットは同梱されていますし、手引書も付いています。でも、ビギナーの私には疑問点もたくさん。何せオイル塗装といえば自宅のテーブルのメンテナンスくらいで、それも年に一度あるかないか。その都度ネット検索しているくらいのレベルです。「数量限定品」を自分で塗るだなんて、ワクワクしかないとは正直言えず、そこには不安も同居してしまうわけなのです。
そこでDIYが趣味のスタッフに相談したところ、「大丈夫!何も難しくないし、楽しく塗ればいいんですよ〜」とニコニコのアドバイス。なんだか、塗る前からすでに楽しそう。
その笑顔に背中を押され、実践してみたのですが・・・これが楽しい!
オイルを塗った際、炎の模様が浮かび上がるのはとても面白く感動的でしたし、自分で塗って組み立てるその過程に、どんどん愛着が増してくるこの感覚・・。
もっと塗りたいとさえ思いました。
同じように、ロイムに惹かれつつもオイル塗装のやり方が分からず、不安に思う方がいらっしゃるはず。今日はそんな方の不安解消につながるよう、私が色々と調べた上で、アルテックの手引きに従って実践した具体的な塗装方法などをお伝えしていきたいと思います。
リニューアルしたキャリーアウェイボックス
左:従来のボックス、右:リニューアル後のボックス(画像はアニバーサリーテープが貼られた特別仕様)。これまでも相当数が制作されていると思いますので、まだ当分は左のボックスで届くかもしれません。
まずお伝えしたいのが、新しいキャリーアウェイボックス(梱包箱)について。アルテックでは順次、リニューアルしたものに変更していっているそうです。
このリニューアルでは、容積を24%削減し、よりコンパクトに。梱包箱には80%以上リサイクル素材の段ボールを使用し、粘着テープやプラスチック素材は使われていません。またネジや座面を保護する袋などはプラスチック製のものですが、今後は不使用になるそうです。(一部仕様のスツールは除く)
これには私、感銘を受けました。
梱包材の見直しなどはもちろん当店でも随時行っていますし、多くの企業が努力している点だと思います。限りある資源を前に、さまざまな見直しが求められている今、当たり前と言えば当たり前のこと。
でもその当たり前を当たり前として、きちんと行動し形にできるのは、容易なことではないと思うんです。そしてそれがとてもシステマチックで機能的であること、これがとても素晴らしいと感じました。ましてやスツール60ほど数多く出荷されている商品であれば、尚更です。
今だけの無塗装を味わう
開梱すると、中には無塗装のスツール60とオイルキットが入っています。
個性的な木目がうっすらと見て取れますね。
すべすべに整えられた素肌感がとても綺麗。
無塗装の状態が見られるのは今だけだと思うと、塗ってしまうのが勿体無いような気持ちに・・。
ぜひこの状態も堪能していただければと思います。
オイル塗装の準備
塗装に入る前に、下記を準備しましょう。
・塗装場所の保護(ビニールなどを敷いて養生する)
・手袋(100円ショップなどで手に入ります)
・清潔なハケ(ホームセンターなどで安価に売っています。無くても構いません)
・オイルを一時的に入れる容器(こちらも無くても構いません、お好みで)
付属しているのはツヤなしのクリアオイル。
植物由来の自然塗料で健康被害のないものですが、ベタベタするので手袋をしていただくと良いと思います。
作業時は換気の良い場所で行ってくださいね。
それから布は、予め小分けにカットしておくと良いかもしれません。
私は1回の塗装で塗布用と拭き上げ用に2枚、2回塗りで合計4枚使ったので、その枚数分に分けておきましたが、付属の布でなくても、着なくなったTシャツなどを使っても構いません。
座面裏のアニバーサリーシールはマスキングテープで養生しておくと良いと思います。養生しない場合は、オイルを塗った後、テープ部分のオイルを拭き取ってください。
また私はアニバーサリーテープの下の製造内容が記載されたシールも養生しましたが、こちらは簡易的なシールなので、剥がしてしまっても良さそうです。
オイル塗装1回目の手順
オイル塗装は基本的に2回(以上)行います。
ざっくり言うと「表面を整える→オイルを塗る→余分なオイルを拭き取る→乾かす」
これを2回繰り返して完成です。
【1回目の手順】
1)ホコリやゴミを取り除く
2)オイルを塗布
3)20分置く
4)オイル拭き上げ
5)12時間程度乾かす
★後片付けも忘れずに!
1)はじめに、ホコリやゴミを取り除きます。
ハケが無くても、布で表面を払っても良さそうです。
2)次に、付属の布でオイルを薄く塗り伸ばします。
オイルは分離していることがあるので、使用前に瓶をよく振って混ぜましょう。
あらかじめ容器に少し出しておくと作業しやすいと思うのですが、こちらはお好みで。直接木材に垂らしたり、布に付けていただいても大丈夫です。
瓶のフチに付いたオイルは、最後に布で拭き取っておくと良いと思います。(そのままにすると、フチについたオイルが固まって、後日フタが開きづらくなることがあります)
一度目はたくさん染み込むので、均一になるように何度も布にとって薄く塗り伸ばします。
オイルを塗ると、木目が生き生きと浮かび上がってきます。
これがとても嬉しくて感動的で、病みつきになりそうな楽しさ!
そうそう、切り口のところはよく染み込むので、他部分より多めに塗ると良いです。
座面の効率的な塗装方法について。
後で知ったのですが、裏面を塗った後、ネジを3箇所仮留めして裏返せば、ネジを支柱にして座面が浮くので、この方法なら表裏を一度に塗り乾かすことができます。
画像はこの説明用に撮影したものなので、無塗装の状態です。(私が塗った時はそれを知らなかったので、表・裏・表・裏と4日かけて塗りました・・)
左:無塗装、右:1回塗装。良い風合いになりました
3)塗り終わったら20分ほど置きます。
置きすぎるとベタつくそうなのでご注意くださいね。
4)20分後、新しい布を使って、表面に残った余分なオイルを拭き取ります。
5)その後12時間以上(季節や環境により異なる)置いて乾燥させれば、1回目の工程は終了です!
この時は梅雨時期だったので、ひと晩(24時間程度)置いてまた翌日に2回目の塗装を行いました。
★忘れてはいけないのが、後片付けです。
オイルは自然発火しないよう、注意して廃棄する必要があります。
オイルが付いた布や手袋は、水に浸してポリ袋に入れて、普通ごみとして捨てる方法が手軽です。
その際は廃棄する布で、容器に余ったオイルも拭き取ってしまいましょう。
アルテックの手引書には、「ガラス瓶または金属製の蓋付き容器に入れて密閉した状態で廃棄してください」とありますので、そちらの方法でももちろんOKです。後者だと、2回目の塗装の際にも同じ布を使用できるかもしれませんね。
いかがでしたでしょうか。
色々書いてありますが、やることは単純で難しくないですよね。
個別に用意するものも書きましたが、どれも無くても作業自体は可能です。
2回目もほぼ同じ工程ですが、2つだけ違う点があります。
次回の後編では、2回目の塗装についてと、そもそもオイル塗装って何のためにやるの?という点についてなどお伝えしていきたいと思います。
それではまた、次回のブログでお会いしましょう〜。
ミキ
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