【オイル塗装してみました】数量限定、アルテック スツール60/90周年モデル「ロイム」- 後編

こんにちは、キナルのミキです。
artek (アルテック)スツール60の90周年を祝って発売された数量限定モデル、「ロイム」。
フィンランド語で炎を意味するロイムは、自然素材の美しさに着目し、希少なトラ杢目のバーチ材を用いた印象的な一脚です。


前回のブログでは、オイル塗装1回目の具体的なやり方などご紹介しました。
後編となる今日は、2回目の塗装方法に加えて、そもそもオイル塗装は何のためにやるものなのか、などお伝えしていきたいと思います。どうぞ最後までお付き合いいただけますと幸いです。



オイル塗装2回目の手順

1回目とは1)と6)が異なります。

1)サンディング
2)ホコリやゴミを取り除く
3)オイルを塗布
4)20分置く
5)オイル拭き上げ
6)24時間程度乾かす
後片付け


1)サンディング
付属のサンドペーパーを使い、木目方向に沿って優しくサンディングしましょう。表面が滑らかになったと感じればOKです。


2回目の塗装はまずサンディングから始めます。
木材を触っていただくと、ザラザラしているのが感じ取れると思います。水分を含んだことで表面が毛羽立っているので、サンドペーパーで均一に整え、ムラなく塗ることができるようにする作業です。また、小さなキズでしたらこの作業で取り除くことができます。

1回塗りだと毛羽立つので、2回は塗装するようにしましょう。2回目からは毛羽立たなくなるので、塗装回数はお好みでOKです。


2)ホコリやゴミを取り除く
3)オイルを塗布
4)20分置く
5)オイル拭き上げ

この工程は1回目と同じです。(1回目の工程は こちら


6)24時間程度乾かす(季節や環境により異なる)

1回目が12時間だったのに対し、今度は24時間程度となっています。しっかり乾燥させましょう。
私はまた一晩寝かせたのですが、この時は梅雨時期だったので、二晩くらい寝かせても良いかなと思いました。


さあ、これで塗装完了です!

ちなみに私は3本の脚を、2回塗り、3回塗り、4回塗りに分けてみました。
下の画像のどれがどれだかお分かりになるでしょうか?(並び順は上の画像と同じ。上下をひっくり返しただけです)

正解は、左から、4回塗り・3回塗り・2回塗りです。

みんな同じに見えますよね?笑
むしろ若干ですが、左端の4回塗りが一番薄く見えるかもしれません。これはトラ柄が少ないことも影響しているのかなと思います。(木目を引き立ててくれるクリアオイルなので)
ただ、手触りは若干違いました。回数を重ねるほどに滑らかな手触り。サンディングの程度にもよるのかもしれませんが、ある程度作業を重ねるほどシルキーになっていくようです。


十分乾燥させた後は、組み立てれば完成です。

以上、オイル塗装の具体的な方法のご紹介でした。
どうでしょう?やってみたら案外簡単で楽しいものです。お子さんのいるご家庭でしたら、親子で塗ってみても楽しそう!「こうしなければいけない」というものではないそうなので、ぜひぜひ、気負わずにチャレンジしてみてくださいね。



オイル塗装の目的、メリットとデメリット

そもそもオイル塗装は何のために行うのでしょうか?

それは「木材の美観と保護」のためです。

オイル塗装は木の中にオイルを浸透させて反りや割れを抑制しつつ、木の一定の呼吸は妨げない仕上げです。
また美観の面では、オイルを染み込ませることで、木の表情をしっとりと浮かび上がらせることができます。手触りも含めて「仕上げる」ために塗装するんですね。


メリット
・木の質感をより味わえる
・経年変化をより味わえる
・少しの傷や汚れならセルフメンテナンスが可能

オイル仕上げは表面に膜を作らないので、より自然な手触りを感じることができます。
同様の理由から、経年変化もラッカー塗装よりも顕著な傾向にあります。
またラッカー塗装は塗装が剥がれると自分で修復をすることはできませんが、オイル塗装の場合は少しの傷や汚れはサンディングしてまたオイルを塗布することで綺麗になります。
ただ、脚は無垢材ですが座面はベニヤを用いたフラッシュ構造ですので、削り過ぎないよう注意してくださいね。
私個人は傷や汚れも味だと思う方なので、気になる汚れでなければサンディングはしなくても良いかな、と思っています。


デメリット
・通常のラッカー塗装よりも傷や汚れが付きやすい
・定期的なオイルメンテナンスが必要

前述の通り、塗膜がないので傷や汚れが付きやすいです。
そしてオイルはだんだん抜けていきますので、カサカサしてきたな、と感じたらその都度、オイルメンテナンスをしてあげてください。

ちょっと面倒だな、と思うかもしれません。
ただ、その一手間をかけることで、より愛情深い家具に育っていくのだと思います。
革靴なんかもそうですよね。メンテナンスがちょっと面倒だけれど、少しの手間をかけることで美しくエイジングし、愛着を持って長く寄り添えるようになる。
最近実感したのは、面倒がっていたら何も良いものは手に入らないということ。
それについては仕事も、人付き合いも同じだなあと、つくづく感じる今日この頃です。



「ロイム」は数量限定モデル

上から、「ロイム」(2023数量限定)、「コントラスティ」(2023限定生産)、定番のナチュラルバーチ

炎のようなトラ杢目や、自分で仕上げるオイル塗装が魅力の「スツール60 ロイム」は、自然素材の美しさに着目した90周年限定モデル。当初、日本用に700脚ほどの予定で準備していると聞いていましたが、実際には切り出してみないと数量が確定しない希少なもの。最終的に何脚になったのでしょう・・。

第一弾のコントラスティ同様に素晴らしいモデルでしたので、キナルでは在庫を持って販売しています。
無くなり次第終了となりますので、お早めにチェックしてみてくださいね。



実店舗にてアルテック スツール60の展覧会を開催いたします!


最後に、展覧会のご案内です。

先日、Artek Tokyo Storeにて開催されていたスツール60の展覧会「Decades」はご存知でしょうか?
フィンランド・ヘルシンキにあるArtek 2nd Cycleにて開催されている展覧会のコンパクト版で、1933年の誕生から10年ごとに1脚ずつ、各年代を象徴するスツールが並ぶ展覧会です。

この展覧会は今年いっぱい日本各地を巡回するのですが、その巡回地の1つとしてキナルLABOでの開催が決定しました!

巡回展のお話をいただいたとき、とても嬉しかったです。
私自身がArtek Tokyo Storeの展覧会にタイミングよく行けず、悔しい思いをしたこともあり、栃木県の方はもちろん、近隣に見に行ける機会がない、といった近県の方々にもぜひお越しいただけたらと思っています。(もちろん遠方の方にも!)

貴重なスツールとともに歴史を感じることができる本展覧会では、アルテックのスツール60についてもっと詳しく、もっと好きになれるような、キナルLABO独自の企画も準備を進めています。
スツール60はもちろん、家具やインテリアにご興味のある方など、どなたでも楽しんでいただける展覧会ですので、ぜひぜひお運びいただけますと幸いです。

もちろん「ロイム」の展示もありますし、在庫があればすぐにお持ち帰りも可能です。
たくさんの皆さまにお会いできることを楽しみにしています。
詳細はこちらからご覧くださいね。

それではまた、次回のブログでお会いしましょう〜。
ミキ


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