【イベントレポート】「artek（アルテック）スツール60日本巡回展 @キナルLABO」がスタートしました！

投稿日: 投稿者: ミキ【web】

こんにちは、キナルのミキです。
先の週末からいよいよ、実店舗キナルLABOでの展覧会「Decades -スツール60 90年の軌跡- 」がスタートしました。
私は実店舗ではなくwebのスタッフなので、webの方からできるお手伝いをさせてもらいながら進めてきた企画です。
スタッフでありながらキナルLABOのファンでもあるので、つまり半分はお客さん気分！誰よりもこの企画を楽しみにしてきたひとりだと思います。

展覧会が始まってすぐ、お客さんとして店舗へ行ってきました。

キナルLABOは決して大きな店舗ではありませんが、そのスペースを最大限に使って工夫を凝らし、店舗スタッフが一生懸命準備してきた企画です。
この展覧会はアルテックにお声がけいただき、各地のショップを巡回しながら開催されているものですが、スツール60を知らない方にも楽しんでいただけるようにと、キナルLABO独自の展示も準備してきていました。
そんなスタッフの努力も見てきているので、なんだかもう、会場を見るだけでちょっと感動でしたね・・。

店舗へ入り、奥のスペースへと足を進めると、展覧会の空間が広がっています。
中央にメイン展示の10脚。逆時計回りに年代順に見ていただくのが良さそうです。

右手に目をやると、壁面沿いにこの展覧会やアルテックについての説明パネルが並んでいます。
こちらはキナルLABOで作成したもので、スツール60を知らない方にも楽しんでいただけるようにと準備したもの。
L-レッグの構造見本などもあり、さながら小さな美術館のようです。

続いてのエリアには、色とりどりのスツール60が。
並んでいるのは、現ラインナップの全てのカラーです。　
キナルLABOでは通常、セレクトして展示しているので、普段置いていないカラーも大集合！

こうして見ると、オレンジやイエロー、ブルーにレッド・・・。カラフルなカラーもアクセントになって可愛いな、いやウォールナット色も可愛いな、なんて、もう全然選べませんね。買う予定がなくても、どれにしよう、なんてこの場所でしばらく悩むことになるかもしれません。でも安心してください。3本脚なら、うずたかくスタッキングして積み上げることが可能です。置き場所は1脚分のスペースしか取らないので、これはもう換算1脚みたいなもの。何脚でもお迎えできますね！

・・なんて言いたいけれど、あまり高く積みすぎると倒れたときに危険なので、ほどほどにしておいてくださいね。


アルテックによるスツール60メイキング動画を、スツール60に座りながら鑑賞するコーナー。
冬の森から切り出された木材が製品となって出荷されるまでのショートムービーです。

私の家族は「どんなふうに作られているのかよく分かって面白いね」「どうして伐採するのは冬なんだろう？冬って決まっているのかな？」「どれくらい乾燥させるのかな？」と興味津々に見ていました。

台座はこの中にスツールを2脚入れることができ、そのまま梱包箱としても使えるもの。このスツール60日本巡回展用に作られた、美術品輸送と展示を兼ね備えた木箱です

メイン展示はスツール60の年代別の展示です。

1930年代から10年ごとに、その年代を象徴する1脚が展示され、2020年代までの合計10脚が並んでいます。
スツール60って90年間変わらずに生産され続けている家具なんですが、戦時中の物資不足によって一時的にL-レッグではなくなっていたとか、この年代は経済成長の影響でさまざまな木材が使われたとか、そんな時代背景を知ることができます。

その時代背景と照らし合わせながら、実際にその時代を生き抜いてきたスツールを見ることができるのは、この展覧会ならでは。

座面裏を覗き込むと、当時のスタンプが付いたものや、1970年代以前に使われていたマイナスネジなど見ることができます。生産工場が移転し一新するまでのスツールに見られる、座面側面がフィンガージョイントのスツールにも注目です。

今では手に入らない貴重な材やデザインとか、新品にはまだない経年変化の美しさとか、そういうことももちろんなんですが、時を経た家具には何より、味わい深い趣があります。

傷や汚れに、その家具が誰かの家で、どこかの場所で使われてきた物語が刻まれていて。
人と共に過ごしてきた時間の分だけ、人のシワのように家具にも刻まれていく。

そうしてひとつの役目を終えたとき、傷や汚れも補修され、きれいに整えられて、また誰かと共に、どこかの場所で、新たな命を吹き込まれ愛用されていく。

『年月を重ねることは、古くなり色あせることではなく、新たな魅力と価値が加わること』
『2nd Cycleによって、家具は2回目の新しい命を与えられる』
これは、artek（アルテック）の「2nd Cycle」という取り組みで私が好きな言葉です。

使う人、直す人、受け取って使っていく人。人から人への物語。
そこにどうしようもなく魅力を感じてしまうので、私はヴィンテージ家具（というか古家具）が大好きです。

1930年代のスツール60なんて、人間で言えば3世代、4世代を渡ってきた御仁。立派なひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんです。
自分の人生を振り返ってみると、本当に色々なことがあったし、まさか栃木県に御縁が生まれるなんて微塵も予想していなかった、なんて思いますが、それよりずっとずっと長い時間をこのスツールは過ごしてきたわけで。（これを読んでくださっている方にも、それぞれのストーリーがありますよね）

アアルトによってデザインされたのが1933年ですから、1930年代のこのスツールは、スツール60としてこの世に発表されて日の浅い駆け出しの新人です。フレッシュだった時からこんなに長老になるまで、想像もできないくらい色々なことがあったでしょう。いや、倉庫に何十年も眠っていたかもしれませんが。そこは分かりませんが。なんだかそういうことを想像すると、すごく面白くなってきませんか？

各年代の時代背景が簡潔に書かれたパネル

90周年を記念して作られた80ページほどの特別なブックレット。左はL-レッグから一時的にフィンガージョイントに置き換えられた1940年代のスツール60の写真、右には詳細な説明書き。

会期中、税込2万円以上のご購入特典(※) としてプレゼントしているブックレット（小冊子）には、たくさんの写真と共に、その時代背景が詳細に掲載されています。
このブックレットが素晴らしいんです！開いてみてもう大興奮。年代別に分かりやすく知ることができるだけでなく、スツール60のこれからのことも書かれています。
これまでと今、そして未来を考える一冊。
過去を知ることは、未来へと繋いでいくことなんだなあと感じる一冊です。

スツールもブックレットも、お手にとって見ていただくことが可能です。ぜひスタッフにお声がけくださいね。


(※) 会場にあるほとんどの家具・雑貨はご購入いただくことができます。展示されている一部のヴィンテージスツールも、日本各地での巡回展終了後の抽選販売会にご参加いただくことが可能です。ご希望の方はスタッフにお声がけください。

年代順のスツールを見終わった最後の順路の一角に、雑貨類も置いています。
ポストカードやポスター、アアルトデザインのテキスタイル「シエナ」を使ったポーチやトートバッグなど。


展覧会を楽しんでいただいた最後には、「キナルくじ」もご用意しています！
こちらはアンケートに答えていただくと引いていただける、アルテック関連アイテムがもらえる「ハズレなし」のくじ引きです。
色とりどりの折り紙は、スツール60の座面カラーをイメージしてスタッフがセレクトしました

旅行に行ったり、水族館や美術館に行ったりしたとき、楽しかった気持ちを「お土産」という形で持って帰りたくなることってありますよね。
だからついつい、イルカのキーホルダーを買おうとしたり・・。そんな思い出、ありませんか？

今回のくじ引きも、そんなようなものなんです。
展覧会の余韻を、どなたにも形にしてお持ち帰りいただけるように・・。
「楽しかったね、」くじ引きのアイテムを見ながら、そんな思いや会話が生まれるように・・。
そう願ってご用意させていただきました。（注：店舗スタッフではない私の勝手な解釈です。笑）

もちろん、アンケートを今後に役立てたい！という気持ちもたっぷりあります。なのでぜひご協力いただけますと嬉しいです。もしご面倒でなければ、感想などもご記入いただけるとなお喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。

2023年発売、90周年限定モデル「コントラスティ」はスツール60の構造の美しさに焦点を当てたモデル


いつもながら長くなり過ぎてしまうので、今日はこの辺で・・。

キナルがあるのは宇都宮駅西側ですが、駅東にはLRTも開通しました。見学がてらいらしていただいても楽しそうです。
小さなワクワクを散りばめて、10月2日（月）までの期間、キナルLABO店舗にてお待ちしております。


ミキ

■artek（アルテック）スツール60日本巡回展「Decades – スツール60 90年の軌跡 – 」
　展覧会の詳細は こちら

■artek（アルテック）関連ブログ一覧は こちら

■店舗情報（ご不明点がありましたら、お気軽にお問い合わせくださいね）

   キナルLABO（実店舗）
       住所：栃木県宇都宮市松原2-5-21 木材会館１階　地図
       TEL：028-612-5618
       Mail：labo@nonversus.jp
       営業時間：13:00～17:00
       定休日：水曜・木曜
  ※休業日のスケジュールはInstagramにてご案内しております。


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