リネンのお洋服を取り扱うキナルでは、コーディネートとして合わせるファッション小物が何かないか、ずっと考察しておりました。
そこで私自身が暖かくなってきた時期にはかかせない、麦わら帽子をご提案出来ないかと思い立ちました。
安価な海外製のものは多くありますが、せっかくなら品質のよいもの(出来れば手に取りやすい価格)を探し求めていたところ、お休みの日に何げなくつけていたテレビに出会いがありました!
ぶらりと気ままに街を散策をするあの有名な番組で
たくさんの麦わら帽子が外に干されている場所にレポーターが入っていくのを見かけ、「お!これは!」と釘ぎ付けに!
その番組を見てから気になって調べてみると、ファッション性の高いデザインのものも作られていて、有名なファッションブランドのオリジナルも作られているとの情報が。
そこで私たちも是非お取り扱いをしたく、工場見学をさせてもらうことにしました。
そこは、埼玉県春日部市にある、現在は何と!6代目が継承している、明治13年創業の老舗「田中帽子店」。
現在日本では数少なくなってしまった麦わら帽子店です。
農業用や幼稚園の麦わら帽子を製造するのと同時に、デザイン性のあるものを多く製造しています。
工場内に案内いただくと、麦わら帽子や金型がズラッと並んでいる光景が目に飛び込んできてワクワクしました。
近隣で廃業された帽子屋さんから受け継いだ型もあるそうで、色々な形の帽子が無限に作れるそうですよ。
その木型や金型は日本人の頭に合うように作られているので、海外製品とは違うフィット感があります。
まず、一から縫いあげていく工程を見させていただきました。
海外製の多くは、シート状になった麦わらをプレスして形成していますが
こちらでは、7本の麦が編まれたテープ状の麦を縫って形にしていきます。
最初はつむじの部分から縫い始め、グルグルと円に。
そして、そのままの状態で角度を変え筒状にしていき、時々型に入れて確認しながら縫い上げていきます。
縫っている麦のテープは、元々は天然の細い麦を編んでいるので太さが不揃い。
手の感覚で微調整をしながら、スルスルっと綺麗に編んでいく職人さんの手仕事の凄さを間近で感じることができて、感動しました!
製品によっては、1人で1日100個も作れる職人さんもいらっしゃるのだそう。凄いっ!
また使用されているミシンは、今はもう製造されていないため
パーツを交換しながら、大切に大切に使われているそうです。
長年続く工場には、よい人とよい道具が揃っているんですね~。
その後は、水圧で形をプレスする工程へ。
こちらも手作業で1つ1つ金型へセットしてプレス。
1つずつ水圧を確認したり、形を確認しながら、丁寧に整えていました。
その横では、現役の4代目がアイロンをかけている姿が。
ご自身がお好きなハンチング帽を麦わらで作られたそう。
この時は、作るのが難しいそのハンチング帽の形をアイロンで整えていました。
このように、プレス機では出来ないものを、手作業でアイロンがけをすることもあるのだそう。
次は、内側の汗止めテープやタグなどの装飾を縫う工程へ。
こちらも専用のミシンで1つ1つ取り付けていきます。
こちらのミシンも年代もので、かっこいいです。
最後は検品する工程。
こちらも1つ1つ人の目と手で確認、補修して1つの製品が完成していきます。
テレビである程度工程を見ていたけれど、どこかで少しは機械が入るのかなと思っていました。
実際見学させていただくと、このように全工程、人の手で制作されていて、びっくりすると同時にとても愛おしく思えました。
人の温もりが感じられる、1つとして同じものはない麦わら帽子です。
今まで麦わら帽子をかぶっていた方も、これから試してみたいという方も
この手仕事で作られた麦わら帽子を、ぜひ手に取っていただけると嬉しいです。
オオハシ
■田中帽子店の商品一覧はコチラ
5月28日10時~販売スタートとなります。
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